秋に咲く紫色の花の紫苑(シオン)。
紫苑は絶滅危惧種の花でなかなか見かけることが少ないですが、細い花弁がとても綺麗に咲きます。
昔の物語にも関わることがあり長い歴史を持つ紫苑にはどんな花言葉があるのでしょうか。
怖い意味があるのかや由来についても一緒にまとめました。
ここでは
- 紫苑(シオン)の花言葉は怖い?
- 由来の今昔物語とは?
- 英語の意味は?
- 紫・白の色別の花言葉は?
- 紫苑の名前の由来
について紹介します。
Contents
紫苑(シオン)の花言葉は怖い?
紫苑(シオン)の花言葉は「追憶」「君を忘れない」「遠方にある人のことを想う」です。
過去を思い出すという意味や遠くにいる人を想うなどの意味があり、怖い意味は付けられていません。
紫苑の花言葉が怖いと言われる理由は、花言葉の由来となった物語に鬼が登場するからという説があります。
紫苑(シオン)の花言葉の由来の今昔物語とは?
紫苑(シオン)の花言葉の由来は平安時代に作られた今昔物語集の中にある1つの物語が関係しているとされています。
物語の内容がこちらです。
ある日二人の父親が亡くなってしまい、とても悲しみました。
その後も何年も忘れることができず、二人で父の墓参りへ行き生前と同じように語りかけていました。
月日は流れ兄弟は朝廷に仕えることとなり忙しくなりました。
兄は見る人の思いを忘れさせてしまうという「萱草(かんぞう)」という草をお墓に植え、お墓参りに行くことが無くなります。
弟は見た人の心にあるものを忘れることができないという「紫苑」の花をお墓に植え、度々お墓参りをしていました。
するとある時お墓参りをしていた弟に、墓の中から鬼の声が聞こえたのです。
ずっと弟の様子を見てきた鬼は、父親を慕う気持ちがずっと変わらなかったことに感心して予知能力を弟へ授けました。
弟はその予知能力を使って幸せに暮らしたのでした。
いつまでも大切な人を忘れないということが花言葉の「追憶」「君を忘れない」という由来になったようです。
また、紫苑には「鬼の醜草(オニのシコグサ)」「思い草(オモイグサ)」という別名があります。
これらの別名の由来となったのも、今昔物語集の兄弟の物語といわれています。
鬼が出てくる物語でしたが、内容を見てみると慈悲深い鬼であり怖いというイメージはありませんでしたね。
紫苑の英語の花言葉の意味は?
紫苑の英語の花言葉は「Patience(忍耐)」「Daintiness(優美、繊細)」「Symbol of love(愛の象徴)」です。
日本とは印象の異なる花言葉となっています。
細くて繊細でありながら美しさのある花の姿からつけられているようです。
紫苑の紫・白の色別の花言葉は?
紫苑というと紫色という印象が強いですが、実は白やピンクといったカラフルな植物でもあります。
花言葉がつけられている色もあるため紹介します。
紫の花言葉
紫苑の紫の花言葉は「ごきげんよう」「時の経つのを忘れて」です。
昔は紫は高貴の色とされていることからつけられているようです。
また、時間を忘れてしまうほど綺麗な花姿から「時が経つのを忘れて」という意味もつけられています。
白の花言葉
紫苑の白の花言葉は「どこまでも清く」です。
白は清純なイメージがあり、細くて繊細な様子からつけられたそうです。
白の紫苑も可愛らしくて素敵ですね。
紫苑の名前の由来
中国で「紫苑(ジワン)」と呼ばれていたことから、日本では音読みの「紫苑(シオン)」で呼ばれるようになったといわれています。
紫苑の「紫」は紫色が由来で、「苑」は草木が茂るという意味からつけられたそうです。
昔からある紫苑は「紫苑色」の由来でもあり、薄紫色をしていて高貴な色として使われていました。
また学名は「Aster(アスター)」とつけられていますが、由来はギリシャ語の「aster」で「星」という意味があります。
放射線上に伸びる花弁の様子が、星のように見えることにちなんでつけられています。
紫苑(シオン)の花言葉は怖い?由来の今昔物語や英語と色別の意味のまとめ
紫苑の花言葉が怖いのやその由来と英語や色別の意味についてまとめました。
紫苑の花言葉は「追憶」「君を忘れない」「遠方にある人のことを想う」で、今昔物語集の亡き父を思う物語からつけられた意味でした。
紫苑の華奢な花姿から英語では「忍耐」や「繊細」で、色別では紫は「ごきげんよう」「時が経つのを忘れて」白は「どこまでも清く」となっています。
絶滅危惧種とされていてなかなか見かけることの少ない紫苑ですが、大切な人への贈り物として選んでみてくださいね。